体を整える「気」のすべて
気の流れを変える 究極の気の健康法
「気」には体のバランスを整え、痛みや症状をやわらげる不思議な力がある。
骨のゆがみを直し、生活習慣病を予防するなど、心身の不調を解消し、体を自然な状態に保つための「気」のスーパーパワー活用法を徹底解説。
著者:早島正雄
出版社:日本文芸社
発売日:2003/4/25
ページ数:236p
ISBN-10:4537063459
ISBN-13:978-4537063455
書籍JANコード:1920111005246
体を整える「気」のすべて ≪まえがき≫ご紹介
雑誌でもテレビでも、やたらに体の話や薬の話が出るように、世はまさに健康ブームである。だが、健康について本当にわかってきているのかというと、そうではないようだ。
たとえば、「運動不足は健康によくない」と、エアロビクスやジョギングなどを必死にやったりするが、これはおかしい。こうした運動は、基本的には筋肉を鍛えるものである。無理な運動をすれば、逆効果になる場合が多いのは、よく知られているところだ。
また、最近の健康法には、「これを食べるといい」と、食べ物をすすめるものが多い。しかし、シイタケやニンジンだけで健康が得られるわけがない。万病に効くといわれていても、人によっては向かないものもあるだろう。
このような健康に対する考え方は、いずれも不自然なものである。
私がこの本で紹介する、体を強くし、元気になるための健康術は、中国の長い歴史の中で育まれ完成されてきた「導引術」に基づいている。
「導引術」を一言で説明すれば、体を自然の状態に保つための方法といえる。では「自然の状態とは何か」といえば、体のそれぞれの器官が正常に働いている状態のことである。
人間はある程度成長すると、体に老化が始まる。本来の元気が失われ、自然な状態ではなくなってくるのだ。導引術ではそれを「邪気がたまっている」と考える。邪気がたまるというのは、体にひずみが生まれていることだ。
誰でも理解できるのが、幼児の寝姿だろう。幼児は、寝ながらよく体を動かしている。それも、昼間元気に遊んでいる子どもほど、よく動いているものだ。親は「寝相が悪い」とか、「カゼをひいてしまう」と心配する。
しかし、この心配は余計なもので、幼児は寝ているときに無意識に導引術をしているといえる。つまり、昼間の動きではあまり使わなかった筋や関節を動かして、たまっていた邪気を排泄して、新鮮な「気」を補充し、活力をたくわえているわけだ。このような、子どものあるがままの姿こそが導引術の基本だ。まさに「気の健康術」なのである。
幼児の寝姿をよく観察してみると、つねに体にとっていちばん自然な姿勢になっているのがわかる。たとえば、横向きになったときには、下側の腕は体とほぼ直角に伸ばし、上側の腕は少し曲げて、手のひらが腹か床につくようにしている。また、下側の足はまっすぐに伸ばし、上側の足は「く」の字に曲げている。やってみると、この姿勢なら背骨がまっすぐに伸びて、もっとも自然な状態になるのだ。
残念なことに、大人になると、こういう寝姿を無意識にとることはなくなってしまう。体の動きの習慣の積み重ねによって、体にひずみが生まれてしまうからだ。
もしこのひずみがなければ、人間はもっと健康に生活でき、寿命ももっとのびるはずである。ふつう、動物は成長期の五倍以上の寿命をもっている。この計算でいけば人間は成長期が二十年であるから、らくに百歳以上は生きられるだろう。
しかし平均寿命がのびたといわれている現在でも、八十歳に達するのがやっとではないか。そのうえ、六十歳を超えると体にトラブルが出る人がやたらに多い。しかも、その年齢がだんだん低下していることに恐怖を覚える。
これは、人間の体が自然に反する状態におかれているためである。もし、人間の体を本来の自然の状態に保つ方法があれば、人間はもっと若々しい状態で、らくらくと長生きができるはずだ。その方法こそが導引術なのである。もちろん、体を自然な状態にもどしてやることで、心もストレスから解き放たれた自然の状態になる。それが導引術の基本的な考え方だ。
この本では、体のさまざまな痛みや症状を軽くし、あるいは根本的に治す方法を導引術の立場から説明することにする。しかも、短時間で効果があり、体力も必要としないもの、また、どこでもやれるという点も考えて選んでみた。
「本当によくなるのだろうか」と不思議に思うかもしれないが、どの方法でもいいから試してみると、その効果にびっくりするはずである。
早島正雄
体を整える「気」のすべて 目次
まえがき
第1章 体を自然にもどしてやろう
「気」は体のメカニズムを回復させる決め手
どうすれば「気の流れ」がよくなるか
自分の体の状態を知ろう
スポーツマンでも体がかたい人
達人が長生きする理由
導引術は「芸」を高める
「気」のパワーを最大限に高めてくれる導引術
動物の動きに学ぶ
心と体の病を治す最高の健康法
第2章 あなたの腰をやわらかくする
現代人に共通の弱点とは?
バランスのとれた体になるために
腰のゆがみを治すには
腹部・背筋の「気の流れ」をよくする
肥満は腰痛や肩こりの敵
腹部のぜい肉をとるブリッジ呼吸
効果のある就寝前の腰湯
腎臓がよくなると腰が軽くなる
目の下にクマができるのは腎臓が悪い
痔を治すことも体に対する大切な手当て
第3章 生活の中での健康術
仕事の姿勢が体をゆがませている
パソコンのために体が疲れる
遊びの姿勢のよし悪し
「気の流れ」を活発にする足たたき
血流を悪くする立ち仕事
歩かないと体が弱くなる
体によい歩き方、悪い歩き方
サイズの合わないイスに注意
長時間の運転のときはどうすればいいか?
同じ姿勢をつづけると体をゆがめる
幼児の寝相をまねよう
健康的な眠りを得るには
目覚めをスッキリさせ、体のだるさをとる
ぼんやりした頭にカツを入れる
会議の疲れをとる「耳ふさぎ」
冷え症の人のために
どのように食べるか
食べることより出すことが大切
第4章 不調を解消する「気」の行法
体を若々しく強くする
▶肩のこりを解消し「気の流れ」をよくする
▶腰から足先への「気の流れ」をよくする
▶足の冷えを少なくする
▶上半身の倦怠感をとる
▶腰の上部と腹部の「気の流れ」をよくする
▶背中から両肩への「気の流れ」をよくする
▶内臓の「気の流れ」をよくする
第5章 体を活性化させる入浴健康術
入浴は「気の流れ」を活発にする
本場の人も驚いた導引術の効果
寝たきりの病人が歩けるように
有名人が絶賛したサケ風呂
「気」が体を左右する
サケの気の働き
導引術は「気」の医学
サケ風呂はこうして入る
肌にやさしいサケ風呂
入浴効果を高めるサケの気
気血を活発にして邪気を除く
透明感のある色白の肌にする
サケ風呂よりヒバ湯がいい人
冷えからの腰痛にヒバ湯は最高
第6章 心が強くなれば体も強くなる
薬で治らなくても「気の流れ」が解決
イライラする人にすすめたい静座法
静座して「気」を体にとり込む
盤座して、すべてを臍下丹田に集中させる
脳の命令系を休ませて、内蔵の調和をはかる
何も考えずに「気を聴く」
無我の境地からさめた時、ストレスは消えている
手を振って邪気を出す
上半身のしこりをなくし、新鮮な「気」を流す
上半身の力を抜いて、下半身に重心をおく
両足は大地に根を生やしたように
「上三下七」の力のバランスが病気を治す
気血の流れがスムーズになり、体質まで改善する
終章 「やる気」が体を治す
「導引術」はまわりの人も幸せにする
その気になれば病気は治る
治りやすい人と治りにくい人
「甘え」が病気を長びかせている
「甘え」と「あきらめ」が腰痛を重くする